大恵では、企画・デザイン担当者が日々試行錯誤しながら、陶器や焼物の新しい価値や可能性を模索しています。
形状と釉薬と焼き方の組み合わせで、焼物のバリエーションは無限です。
その中から、デザインや製法の目新しさだけにとらわれることなく、使いやすさと機能性も大事にしながら、
より良いものをより早く、より多くのお客様にお届けできるよう体制を整えています。
形状のデザインから釉薬を付けた最終デザインまで、感性を活かして、お客様の個性が出る製品を形にしていきます。
また、お客様からのご依頼だけでなく、自社開発の新製品も日々開発中です。
成型方法は原料の土を均一に混ぜ合わせ、土の中にある気泡を抜きながら機械で練っていきます。
一定量の水分や珪酸ソーダなどを混ぜた土は、泥漿(でいしょう)と呼ばれます。
土の種類や気温、湿度によって微妙に配合割合を変えて、常に高品質な製品を心がけています。
成型方法は大きく分けて2種類あります。土を回転させて延ばしながら形を作る「ろくろ成型」と、石膏でできた鋳型に土を入れて成型する「鋳込み成型」です。円形のものはろくろで、四角や三角などは鋳込みで生産します。
鋳込みに使われる石膏型は、余分な水分を吸収してくれるとともに、同品質のものを大量に生産することに向いています。
脱型とは、石膏型から成型された生地を取り出す作業を指します。
脱型された生地の縁には、「バリ」と呼ばれる細かい突起が残っています。
バリが残ったままだと、手触りや口触りが悪いばかりでなく、釉薬の付き方や焼いたときのムラにつながるため、スポンジや指で一つ一つ丁寧にバリ取りをします。
成型した製品を一度低温(800度)で焼成を行います。
この時はまだ釉薬はかけていません。
素焼きは粘土内の水分量を減らすことで、釉薬ののりを良くすることや、本焼きの際の粘土の収縮率が少なくなるなどのメリットがあります。
また、素焼きにより粘土内の不純物が燃える為、より均一な生産体制のためにも必要な工程です。
施釉とは、文字通り釉薬を焼き物生地にかける作業です。
釉薬というのは、「うわぐすり」とも呼ばれており、色合いや光沢といった器の表情を決めるものであると同時に、器を保護する役割もあります。
大量生産品などは機械化が進んでいますが、当社では一つ一つ生地の状態や釉薬の状態を確認しながら施釉しています。
釉薬には様々な鉱物が含まれており、高温で焼くことで化学変化が生まれ、多様な色合いの陶器ができあがります。
釉薬を塗った粘土を素焼きより高温で焼成する工程です。
一般的には陶器が1200℃~1250℃・磁器が1280℃~1300℃で焼き上げます。
この工程を経ると、吸水性がなくなり、食器として使用できるようになります。
焼成には2種類あり、空気を十分窯に送り込み、素材や釉薬と酸素を反応させる「酸化」と、空気の送り込みを制限することで、素材や釉薬に含まれる酸素を放出させる「還元」の2種類の焼成方法を使い分けています。
同じ釉薬でも、焼成方法の違いにより、発色が変わってくるため、その表情の違いが陶器の奥深さにもつながっています。
本焼きまで終わった製品は全て人間の目で一つ一つ検品されます。普段目に入りにくい箇所もしっかりチェックし、長くお使いいただけるよう厳しい品質基準をクリアした製品のみが、皆様の手元に届けられます。
※掲載している工程は一部です。実際には数多くの職人の手と工程を経て、お客様の元へお届けしています。
脱型
鋳込み製法によって作られる「つばめ工房」のカップの脱型工程です。
当社の「つばめ工房」シリーズでは、独自配合の特殊な土を使っており、成型に通常より長い時間を要すること、型離れが悪いことから、一般的な脱型作業より繊細で熟練した技術が必要になります。
仕上
鋳込み製法によって作られる「つばめ工房」の片口酒器の仕上げ工程です。
一般的に仕上工程では、器の縁部分のみをなでて滑らかにすることが多いですが、当社の「つばめ工房」シリーズでは、全面仕上作業を行います。
また、通常一回の仕上を特別な技法を用いて二回行うことで、無釉部分(釉薬が付いていない部分)がとても滑らかになっています。
施釉
鋳込み製法によって作られる「つばめ工房」のカップの施釉(せゆう)工程です。
当社の「つばめ工房」シリーズでは、特殊な釉薬を用いており、他の製品にはない独特で高級感のある風合いと質感になります。
焼成
焼成とは成型した粘土を高温の窯に入れ、加熱する工程です。
高温加熱することでより安定した化合物となり、実用に耐えうる強度となります。
このとき、釉薬が化学反応を起こし、さまざまな色が現れます。
陶磁器の場合、焼成は「素焼き」「本焼き」の2工程あります。
本焼きを行うことで釉薬が化学反応し、色や光沢感を表現します。本焼き後にようやく食器として使えるようになります。